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2010年1月 8日 (金)

就職ということ

 編集者になりたい、と最初に思ったのは、高校2年の時だったか。将来何になりたいか、という問いに、それまで明確に答えられたことはなかった。とにかく、今を生きるのが精一杯で(悩みが多すぎて)、先のことなんか考える余裕がなかった。
 編集者。なんという甘美な響き! ほかのどんな職業よりもかっこよく思えたし(身近にいなかったから余計に)、医師やアーティストのように逆立ちしてもなれない、というわけでもないところが、夢見る対象としては最適だったのかも。
 考えが甘かったことは、数年後に痛感する。バブル全盛で、友人たちは大会社から次々と内定をもらい、夏休みを謳歌していた。どの会社にいこうかと贅沢な悩みを聞かされながら、私はひとり、いくつもの出版社からご縁がなかったと言われ続けた。
 とにかく、面接が苦手だった。人生最初の鬱状態を経験し、何をやっても上手くいかなかった。自分にまったく自信が持てなかった。世の中全体から阻害されている気がした。

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