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2009年10月30日 (金)

豚汁 その2

 日本文化の発信地がどこかとか、豚汁のルーツがどの地域にあるのかということは別にして、純粋に熟語として考えるなら「ぶたじる」と読むのが一般的だろう。
 「とんじる」は、いわゆる重箱読みである。「じる」は訓読みだから、その上にくる漢字も訓読みにする、というルールに従えば「豚汁」は「ぶたじる」と読むことになる。
 ただ、料理名には、外来語、材料が日本に入ってきた時期、そのときそのときの文化や流行、方言や略語など、さまざまな要素が反映されることが多いので、一概には言えない。超定番の肉じゃが、オムライス、親子丼、コロッケだって、略語、造語、外来語、和製外国語のオンパレードだ。日常的にはチーカマやとりわさ、エビマヨのたぐいは、ごまんとあるし。
 でもこれこそ、私たちの生活に根づいているという証拠なんだけど。

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2009年10月23日 (金)

豚汁

 朝の情報番組で「豚汁」は「ぶたじる」か「とんじる」か、という話題があった。ある人が調査したところによると、おおむね東では「とん」西では「ぶた」が多いが、北海道は「ぶた」で沖縄は「とん」だという結果だったそうな。
 私は西の人間なので、当然子どものころは「ぶたじる」と呼んでいた。上京してだんだん「とん」に染まり、今では「とんじる」と言ってから、しまった!と思う(ん~、何となく魂を売り渡した気分になって……)。
 料理名の読み方ひとつとっても、郷土文化や移民などの歴史が想像できて興味深い。遠く離れた漁師町に、共通の方言が存在する、などの話も聞いたことがある。
 番組では、広辞苑(岩波書店)は「とんじる」で引くと「ぶたじる」の項を見るように書かれているので、広辞苑は「ぶたじる」を本来の読み方と考えているのではないか、というようなことを言っていたと思う。

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2009年10月16日 (金)

習った漢字

 子ども向けの本を作るときは、基本的に総ルビにしている。現在制作中のあやとりの本では、使用する漢字を小学校1年生で習う漢字だけ、と決めている。
 これがなかなかやっかいだ。何年生で習ったか、なんて、大人の私たちにはもはや思い出せない。
 小学校3年生の時、日直がその日の予定を黒板に書く、という仕事があった。職員室で先生に「今日の理科の時間は実験をします」と言われたので、黒板に「理科はじっけん」と書こうとした。習った漢字の知識を総動員させて「じっ研」と書いた。教室にきた先生が、じっけんのけんは「験」という字で、まだ皆さんは習っていませんね。でも「じつ」のほうは「実」という字ですから、書けたんですよ、と言った。
 今は「小」ゆびは大丈夫だけど「親」ゆびはつかえない、とか、「花」はいいけど「鳥」はダメ、などと、小学校の国語の教科書を片手に四苦八苦している。

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2009年10月 9日 (金)

「ひねる」

 ひねるというと、何か堅い物を、感覚としては120度より少ない角度で回す、という意味でつかいたい。例えばドアノブ。「ひもをひねる」に違和感を抱いたのは、この「ひねる」の硬質な感じと、ひもという物の質感がどうもしっくりこないのが原因だろう。
 ねじるは、何回でも(360度でも720度でも)回せるイメージ。腰をひねる、とは言っても、腰をねじる、とは言わない。しかも、ひねるにはねじるに比べて(思いのほか!)多くの意味があるので、ねじらないのは腰だけではない。
 頭も首も、アイデアも俳句も、ひねることはできてもねじることはできない。

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2009年10月 2日 (金)

「ひねる」?「ねじる」?

 あやとりの本を制作中だ。
 「ひもをひねる」という原稿にちょっと違和感。「ねじる」では? いくつか辞書を引いてみる。
 ひねるは「【拈る・捻る】(1)物を指の先でねじまわす。(2)まげる。まわす。(3)考えめぐらす。(4)わざとふつうとかわったようにする。(5)やすやすと負かす。(6)歌や俳句などをつくる」(小学館 新選国語辞典 第七版)。ねじるは「【捩じる・捻じる】(1)棒状・糸状のものの両端をつかんで、互いに逆の方向にまわす。一部をつかんで無理のいくほどまわす。(2)回転式のスイッチや栓をまわす。ひねる」(広辞苑 第六版)。
 たがいに言い換えられるぐらい、差異のないことばなのだろうか。そもそも同じ漢字だし。

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