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2009年9月25日 (金)

冷害

 冷害で野菜が高騰しているが、小学生のときに冷害を「冬に寒いこと」と勘違いしていた。正しくは「夏季に日射量が少なかったり寒冷な天候が続いたりしたために農作物の受ける被害(広辞苑 第六版)」。冷害も寒害も、暑くなるべき時に冷たい(寒い)から起こる害と知って、字面から受ける印象とずいぶん違うなあ、と思った。
 ここ10年ぐらい、四季が変だ。夏がやたら暑かったり、いつまでも涼しくならなかったり。記録的な暖冬かと思えば異常に寒かったり。紅葉がなかなか訪れず、いきなり年の瀬になる。日本にはもう、夏と冬だけで、とくに秋はなくなってしまうのかと心配した時期もあった。
 でも。最近、秋らしい秋を感じませんか。冷夏の延長なのかもしれないけれど、朝夕の空気が冷えていく、夏の湿り気が失われていく、空の色が濃くなっていくようすが、昔を思い出させる。それとも、年をとったからそう感じるだけかな。

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2009年9月18日 (金)

小魚?

 瀬戸内を旅した。向こうへ行ったら小魚を食べないと、と瀬戸内出身の知り合いに言われた。小魚と聞いて思い浮かべたのは、ジャコやキビナゴ、コウナゴといったサイズの魚。大きくてもワカサギやウルメイワシぐらいだろうか。
 ところが、地元の人に言わせると、小魚とは手のひらサイズのオコゼ、タイ、カレイなどをいうらしい。小魚を辞書で引くと「小さい魚」とある(広辞苑 第六版)。そうだよなぁ。
 別の辞書には「小さな魚。まだ成長しない幼魚で小さいものと、成長しても大きくならない小形の魚との両方をいう」(小学館 新選国語辞典 第七版)とあるが、そもそもどこまでを「小さい」というかが地域によって違うということか。
 それだけ、瀬戸内は海の幸に恵まれているということなのだろう。この旅では、アコウの煮つけ、鯛の塩焼き、タモリ(鯛の一種らしい)の煮つけ、カレイの一夜干しなどを食したのだった。小さいからこそみんな尾頭つき(カレイ以外は)。おいしゅうございました。

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2009年9月11日 (金)

目線 その後

 表記のよりどころを国語辞典としている私にとって、広辞苑はとりあえず机上に置いておきたい辞書だ。凡例の出典が古典だったりして、ちょっと使いにくいこともある。だからこそ、昔からつかわれていることばを大切にしているというイメージがあったのだが。
 「目線」は、広辞苑の第五版には、第四版とまったく同じ語義が載っていた。ちなみに、第三版には「目線」という見出し自体が存在しなかった。つまり、目線ということばに「物事を見る方向や位置」という意味が加わったのは、1998年(第五版)から2008年(第六版)の10年間のどこか、ということになる。
 10年という時間を、長いと感じる人もいれば、短いと感じる人もいるだろう。けれど、ある一定以上の年齢の人にとって、10年前は「ついこの間」なのである。
 ことばの変化は案外早いのかもしれない、と思う反面、広辞苑にはもう少しどっしりとかまえていてもらいたいなぁ、とも。勝手な言い分かしらん。

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2009年9月 4日 (金)

目線が気になる

 先日、NHKニュースの情報コーナーで「主婦の目線で」という表現があった。多分、日本語表現にはうるさいであろうNHKで、この原稿が通るのか、とちょっと驚いた。
 この場合は「視点」が正しい表現だと思うし、「目線を遠くに向けて~」の場合は「視線」が適切だろう。辞書によると、目線はもともと演劇・テレビ業界の用語で、視線という意味でつかわれていた(小学館 新選国語辞典 第七版より)。カメラ目線、といえば、被写体である人物がカメラを見ているということだ。
 ところが。広辞苑の第六版(岩波書店 2008)に「(1)(映画・演劇・テレビ界の語)視線。見る方向。(2)物事を見る方向や位置。『同じ―で考える』」とあるではないか!
 慌てて第四版を引くと「視線。もと、映画・演劇・テレビ界の語。」う~ん、いつからこれは正しい日本語になったのだろうか。第五版を探してみるか。

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