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2009年8月28日 (金)

ダイエット?

 今日の昼食時に、ダイエットの話になった。年齢と共に筋肉量も基礎代謝も落ちてくるので、若いころと同じように体を動かし、同じように食べていても、体重は増える。確実に肉がつく。そんな話をしている同僚はみんなやせていて、ダイエットの必要なんかないのに、と思う。
 そう。猫も杓子もダイエット。書店に並ぶ「○○ダイエット」の本、本、本。昔はダイエットといえば若い女性がするものだった。今は老若男女、一億総ダイエットだ。
 ダイエットとは、もともと食事制限のことだ。広辞苑第三版(1983年)には「体調維持のための食事制限。規定食」とある。いまは「痩身(そうしん)」の意味でつかわれる(誤用される)ことも多いような気がする。エクササイズ(運動)でやせることは、ダイエットとは呼ばないのだから。美容のための食事制限だって、ダイエットではなかったはずでは。
 ところが、広辞苑第四版(1991年)になるとダイエットの項は「(規定食の意)美容・健康保持のために食事の量・種類を制限すること」と変わる。最新の第六版(2008年)も同様で、そういう意味に定着したようだ。なんだかダイエット=美容、ダイエット=痩身、ゆえに美容=痩身みたい。その改訂って、どうなんでしょう。

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2009年8月21日 (金)

無理?

 お盆に帰省した。小学生の甥の発言でどうしても気になったことばがひとつ。
 両親(甥にとっては祖父母)の家から「今日はもう帰りなさい」と言われて「無理っ! じいちゃんちに泊まりたい~っ!!」
 いやいや、それをいうなら「やだっ!」か「いやや~」だろって、思わず子ども相手に突っ込んでしまった。ちゃんと自分のうちで寝なさい、と言う代わりに「日本語は正しくつかいなさい」と。
 無理というのは「(1)道理や理由がないこと。すじの立たないこと。(2)しいておこなうこと。(3)するのに困難なこと」(小学館 新選国語辞典 第七版)ということであって、この場合、彼が帰宅することを妨げるものは何もないのだ。(3)から派生して「できない→したくない」という代わりに「無理」という表現を今の若者たちはするようだ。
 でも、自分もそうだったかな。帰りたくないという甥が、少しかわいく見えたりして。祖父母の家というのは、自分の家よりも居心地がよかったりするものなのだ。

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2009年8月14日 (金)

印刷標準字体

 印刷標準字体とは「明治以来,活字字体として最も普通に用いられてきた印刷文字字体であって,かつ,現在においても常用漢字の字体に準じた略字体以上に高い頻度で用いられている印刷文字字体(後略)」(国語審議会 2000年12月8日答申)だそうだ。つまり、最も一般的かつ、たくさんつかわれている活字、ということになる。
 印刷標準字体を認定(?)した(正しくは表外漢字字体表を作成した)国語審議会では『漢字出現頻度調査』なるものを行ったらしい。1997年(平成9年)と2000年(平成12年)というから、ほんの最近のことだ。凸版印刷、大日本印刷、共同印刷の三社が組版で使用した漢字の頻度順位や、読売新聞の紙面で使用された漢字の頻度が元データとなったそうだ。
 実際につかうことで、その字が「字体表」に載るって、考えてみたらすごいことじゃない? 広辞苑の第六版に新しいことばが入るのもそう。私たちがつかうことで、それが言語になる。文化になる。まさに「ことばは生きもの」なんですね。

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2009年8月 7日 (金)

正しい?漢字

 「こんな漢字はないよ」と言われたことはありますか。
 最初は「鴎」だった。森■外は「■外」であって「鴎外」ではない、そんな人はいない、と。高校の国語の先生が力説していて、そんなものか、と思った記憶がある。
 この仕事に携わるようになって、何度か言われるようになった。PCで変換した字と、辞書にある字が違う。私は「刊行する書物は国語辞典に準ずるべき」と勝手に決めているので、本を作るときはこの「印刷標準字体」を使用している。しかし、ほとんどの人は当然「パソコンが出す漢字は正しい」と思っているので、いちいち赤字(訂正)を入れなければならない。もっと面倒なのは、パソコンでも表示できないので、入稿時に差し替えの指示をしなければならないことだ。
 やっかいなのは、料理の本にたくさん出てくること。味■(みそ)、■油(しょうゆ)、■(めん)、■(はし)、攪拌(かくはん)……などなど。ほら、正しく変換できるのは最後のひとつだけ。(味)噌、醤(油)、麺、箸は、辞書には載っていない字なのですよ。確認するときは、ルーペをお忘れなく。
(■にした箇所は、通常、テキストとしてWebサイト上では表せない漢字です。あしからず)

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