2008年5月 5日 (月)

東京の階段(06)

東五反田の中央だけ階段

所在地/品川区東五反田4-3と6の間

●規模:21段●幅員:1.0m(階段部分)●長さ:約13m
●蹴上:約4cm ●踏み面:55~65cm●傾斜:約14°

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 東五反田の急階段の東側にあるちょっと奇妙な階段。緩やかな坂道の中央にだけ狭いステップがあり、そこに交互に手摺が設置されている。自動車は通れないが、両側にスロープがあり自転車やバイクは通ることができる。両側に手摺があると邪魔なので、片側ずつ交互の手摺としたのだろうか。結果的に他にはない珍しい形の階段となっている。ステップの蹴上は小さく、踏み面も傾斜していて、階段というよりは坂道に造られたちょっとした段々でしかないのだが、奇妙に記憶に残る階段だ。

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評価
●疲労感★★☆☆☆
●景 観★★★★☆
●スリル★★☆☆☆
●立 地★★★☆☆

(文・松本泰生)

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2008年4月28日 (月)

東京の階段(05)

高輪のS字型抜け道階段

所在地/港区高輪4-14と品川区北品川6-1、6-2の間

●規模:52段●幅:2.0~2.7m●長さ:約85m
●蹴上:不規則●踏み面:不規則

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 清泉女子大学がある島津山と東側の高輪台の間にある谷道から、東へ社宅の石垣沿いを逆S字型に上る階段である。階段部分ではないが、途中がひどく狭い。最初のカーブ階段を上っていくと、行き止まりかと思うような景色になる。だがこの道はこの界隈の抜け道になっていて、隙間を通って上り下りする人は意外に多い。
 フェンスと石垣に挟まれたU字型溝には蓋がないので、踏み外さないように注意しながら上っていかねばならない。狭いのですれ違いも大変だ。雨が降ったら、傘を閉じて濡れるしかない幅である。だがこの蓋のない溝とひどい狭さという特殊性が、この道を特徴づけ、印象的なものにしている。
 狭い区間を抜けると、上のほうはカーブした緩やかな階段になっている。屋外に造られた階段で、このように美しいカーブを描いているものは少ない。ただ一段一段のステップは、大谷石だったり鉄筋コンクリートだったりとばらばらでやや不整形だ。段差もほとんどなく、坂道のようでもある。大谷石とコンクリートでできたステップは、老朽化してひび割れ、あちこちから雑草が顔を出している。道端は苔むして、雨に濡れればしっとりと柔らかくなる。経年変化して、時間の経過の痕跡を残す階段は見ていて飽きない。周辺の景色ともなじんで、落ち着いた風景ができている。

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評価
●疲労感★★★☆☆
●景 観★★★★★
●スリル★★★☆☆
●立 地★★★★☆

(文・松本泰生)

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2008年4月21日 (月)

東京の階段(04)

東五反田・清泉女子大学 北西側の階段

所在地/品川区東五反田3-7と16の間
●規模:46段●幅員:3.6m●高低差:8.5m●長さ:約26m
●蹴上:18cm ●踏み面:28cm●傾斜:33°

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 JR山手線五反田駅から東に5分ほどにある高台は、明治・大正期に島津家の屋敷があったため「島津山」と呼ばれている。南側を流れる目黒川の谷に向かって突き出すように舌状に延びる高台で、台地上は現在、清泉女子大学のキャンパスになっている。
 この階段はその大学キャンパスの北西側で西向きに下るもの。40段以上ある階段はやや急で、途中に大小3ヵ所の踊り場がある。真ん中の踊り場が長いため、上から見ていると、上ってくる子供などは一時的に隠れてしまう。階段わきには高さが5~6mもある大谷石でできた擁壁がそびえ、その上に大きな桜の木がある。桜の季節の午後に訪れると、南側が開けた階段上から春霞の向こうに池田山の邸宅群が垣間見え、晴れやかな気持ちになれる。また下からは、絵のように美しい桜と階段の景色を見ることができる。
 桜の木の下のやや急な段々を一歩一歩上り下りして、一段ごとに変わる風景を楽しむのもよい。長い踊り場は花が散ると一面に薄紅色の花びらが敷かれたようになる。段々に座って、景色を眺めながら小一時間ぼんやりするのも一興。お屋敷町の中にあるためか、通り抜ける人はそれほど多くない。桜の景色を独り占めするかのように存分に楽しめる贅沢な場所でもある。

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評価
●疲労感★★★★☆
●景 観★★★★★
●スリル★★★☆☆
●立 地★★★★☆

(文・松本泰生)

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2008年4月14日 (月)

東京の階段(03)

大塚の扇形アプローチ

所在地/文京区大塚5-16-14
●規模:13段●高低差:約3m●蹴上:16~22cm●傾斜:30°

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 大塚の扇形アプローチ階段はかなり珍妙な形をしている。路地の奥にある階段は上部が次第に広がり、全体は扇形になっている。ステップは下のほうでは平行だが、上に行くと徐々に両側に広がる。地形や家屋に沿って現場で段々が造られた結果、普通では考えつかない形の階段が生まれた。手摺は右へカーブしており、これに沿って上ると数軒の住宅がある袋小路である。一方、左奥は別の路地につながっているが、極めて狭く部外者の通り抜けは困難だ。階段歩きをしていると、ときどき予想外の形をした階段に出会うことがあるが、個性的な姿の階段を見つけるのも楽しみの一つである。

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評価
●疲労感★★☆☆☆
●景 観★★★★★
●スリル★★☆☆☆
●立 地★★★☆☆

(文・松本泰生)

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2008年4月11日 (金)

全国の階段ファンにお知らせ

本日深夜、階段ファン必見!

『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系列)
2008年4月11日深夜0時15分より
『東京の階段』の著者・松本泰生氏が出演

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「衝撃的都心に潜む謎の階段道情緒とスリルと大爆笑歴史を体感」お楽しみに!!

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2008年4月 7日 (月)

東京の階段(02)

六本木・龍土町の階段

所在地/港区六本木7-7と7-8の間
●規模:15段●幅員:4.0m●高低差:3.2m●長さ:4.1m
●蹴上:20cm●踏み面:27cm●傾斜:37°

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 昔は龍土町と呼ばれた六本木7丁目にある、小規模だがやや急な階段。階段下に桜の老木があり、階段に覆い被さるように枝を伸ばしている。かなり傾いて伸びたため倒れる危険性があったのか、現在は根元にコンクリートブロックで支えがされている。路地の奥で、急な階段に桜が覆い被さる姿がかなり印象的で、通りかかる多くの人が写真を撮っていく。 桜が咲くと普段は静かな階段は一気に華やぎ、明るく穏やかな景色になる。そして桜の散る頃には大谷石でできた段々に花が散り、路地に薄紅色の絨毯が広がる。初夏になると葉が茂り階段下は木陰となり、やや薄暗くさえなってしまうのだが、大谷石の段々に差す木漏れ日もまた一興である。さらに冬場になると、階段を背景に桜のシルエットを見ることができる。枝越しに見る階段も絵になる景色で、この階段の良さは桜の木があればこそなのだとつくづく思う。
 階段の上からは六本木ヒルズも見える。同じ六本木だが、夜になると階段のまわりは人通りも少なく静かだ。一方で遠くには森タワーが輝く。大谷石の階段と古い桜の木と新しい超高層ビルの取り合わせには不思議な魅力があり、多様な顔を見せる東京らしい風景がそこにはある。

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評価
●疲労感★★☆☆☆
●景 観★★★★★
●スリル★★★★☆
●立 地★★★☆

(文・松本泰生)

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2008年3月31日 (月)

東京の階段(01)

麻布台・雁木坂

所在地/港区麻布台1-7と1-9の間
●規模:39段●幅員:1.9m●高低差:6.5m●長さ:約19m
●蹴上:15/19cm●踏み面:40/49cm●傾斜:21°

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 飯倉の交差点のそばにある麻布台の雁木坂は、桜の木々の下を上る階段だ。満開の頃になると桜のトンネルができるので、階段の途中で立ち止まり見上げる人も多い。比較的静かな場所なので、ゆっくり桜と石段の絵になる風景を楽しむことができる。散りぎわに花吹雪の中を上り下りするのは、ちょっと感動的でさえある。階段の両側にはツツジが植わっており、初夏には花の中を上る階段になり、こちらも美しい。
 上部と下部では少し段の造りが異なっているが、一段一段、踏みしめながら歩くと心地よい階段である。途中には横にそれる段々がある。そこに立って横から雁木坂の階段の全体像を眺めると、また新鮮な姿を見ることができる。
 階段の下には霊友会釈迦殿の巨大な建物がある。相当の迫力がある建物なので、以前とは界隈の雰囲気は全く変わってしまったのだろう。だが普段は建物の周囲も静かなので、その傍らにある雁木坂も静かな階段であり続けている。
 以前は階段を上がったところに西洋料理店があって、しゃれた雰囲気の場所になっていた。お店がなくなってしまったのは残念だが、洋風の街灯があり花壇のある階段は、今でも他の階段にはない、おしゃれな風景を見せている。

2008033102

評価
●疲労感★★★☆☆
●景 観★★★★★
●スリル★★☆☆☆
●立 地★★★★★

(文・松本泰生)

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2008年3月28日 (金)

東京の階段

『東京の階段』
都市の異空間「階段」の楽しみ方  松本 泰生 著

Photo 

■224ページ
■判型四六判
■ISBN978-4-537-25545-4
■2007年12月発売
■定価1,680円(税込5%)

街の階段を巡り続けて12年の階段研究の第一人者が、都内の名階段約126ヵ所を厳選。豊富な写真とともに、その土地の由緒や、階段と周辺の風景、階段散策の楽しみ方など、「都市の階段」の魅力を語る。

ご購入は↓

http://www.nihonbungeisha.co.jp/books/pages/ISBN978-4-537-25545-4.html

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