横道まわりみち ~第194回:世田谷線のんびり旅~(3)~
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横道まわりみち ~第194回:世田谷線のんびり旅~(3)~
若林駅すぐそばには、ずぶっとした環状7号線が通っているものの、そこさえ避ければ、静かな生活風景がある。今では八百屋、金物屋、お豆腐屋くらいしかない、店頭には誰の姿もない小さな商店街が、この町の人たちの生活用品をまかなっていたのだろうな、と。
少し歩くと、そのほとんどが暗渠となっているという、7kmの長さの烏山川緑道がある。ここを歩いていけば吉田松陰ゆかりの松陰神社や、豪徳寺にぶつかるというけれど、今回の目的はあくまで世田谷線。歩きすぎに気をつけなければ。かつては目黒川に合流していたというこの緑道は、光があふれ、木々が植えられていて、ジョギングやウォーキング、犬の散歩に適しているのがわかる。それでも、コンクリートで押さえつけられた水の流れを思うと、都内にはどれだけの数の、緑道という名の、封印された川と、それに付随する人びとの物語があるかと思う。
再び若林駅のホームに立つと、線路脇すぐに「天神湯」と書かれたのっぽの煙突が見える。駅近15秒の銭湯というのが謳い文句。お隣の松陰神社前駅の踏切近くにも、立派な松の木が目印の「鶴の湯」がある。セレブなイメージばかりが先行する世田谷区だけれど、沿線には意外なほど、いまだに何軒もの銭湯が残っている。
(文・写真/堀径世)
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